社長っぽいところを見せるブログ

株式会社マンハッタンコードのCEO的なことを書く企画

若いうちは何をやりたいかってことよりも、どんな人になりたいかを考えて欲しい

先々週、私が数年前にSIerにいた時の先輩と食事に行きました。 先輩は私たちがかつて共に働いていた会社を退社されて、別のSIerの会社に転職されていました。 私は元々自分が居た同族嫌悪もあってSIerの適当な仕事ぶりが嫌いです。 先輩のことは好きなのですが、先輩の言ってたSIerの内部事情が理解できなかったので 記事にしてまとめてみたいと思います。

先輩

技術的な専門学校を卒業後、中堅SIerに就職。 10年勤めた後に、同じようなSIerに転職。

理解できなかったこと1、設計しているのに使用している言語を知らない

同僚だった当時、先輩はJavaを使って現場でプログラミングをしていました。 私は現場が開発の現場ではなく、運用のマネジメントの現場だったので先輩を羨ましく思ってました。 技術をつけたくて自分でプログラムの勉強していた私に先輩は「有志の勉強会を作るか」と声をかけてくれた方です。 その勉強会のメンバーがきっかけで私はフリーのエンジニアになりました。

その先輩が「俺はもうプログラムはやらない、設計とか人員管理がメインの仕事だ」と言ってました。 「なんで?」と私が聞くと、先輩は「業務設計とか上流の方が楽しい」と。 ちょっと意地悪だと思いましたが、そんな先輩に「じゃあ今作ってるシステムの言語は何でやってるんですが?」と質問しました。 「Javaだよ」と答える先輩に「バージョンは?」と聞きました。 先輩は困りながら「意識してないな」と苦笑いして返事をしてくれました。

プログラミングをしていなくても我々はプロのシステム屋です。 プロのシステム屋としてJavaのようにバージョンが違えばソースの設計思想が全く変わってしまうものには非常に気を使っています。 これはシステムが使用するアーキテクチャ選定の時に必ずといっていいほど議題に挙がります。

「上流の業務設計、要件定義が楽しい」と言っていた10年以上業界に経験のある先輩が、 お茶を濁していたのはショックでしたがSIerの多くはそんなものです。 SIerにも業界や業務知識、システム的な知識を兼ね備えているエンジニアが居ないわけではないです。 ですが彼らの多くは自分の知識や技術を研鑽する環境や、時間を持っていないのです。 私がSIerを嫌っている大きい理由の1つがこれです。 先輩もかつては同じように「そうならないようにしたい」と言っていましたが、環境が彼を変えてしまったのだと思います。

理解できなかったこと2、働いているのにお金を稼ぐ気がない

先輩に「その仕事を続けていて、何年後にいくらもらえるようになっているのですか?」という質問をしました。 先輩は「今に満足しているからお金のことはそんなに必要だと考えていない。けど年収600万貰えたらいいよね」と答えてくれました。

かつて先輩は私に「自社の営業がエンジニアを高く売れるように技術を磨く」ということを教えてくれました。 私は全ての現場でどんなことをしたらお金が貰えるのだろう、今よりも高く評価されるにはどう行動すべきかを考えてきました。 会社員であっても、エンジニアであっても、ビジネスマンであることには変わりません。 どんなに綺麗事を並べてもお金が稼げなければご飯を食べることはできませんし、パソコンを買うこともできません。

仕事をする限りはお金を稼ぐべきで、お金が必要ないならボランティアでやるべきです。

反面でお金の亡者になれとは言いませんが、稼げない仕事や作業を続けて或る日突然稼げるようになることはまずありません。 技術や経験はいつか役に立つことはあると思いますが、お金の方が圧倒的にあらゆる場面で役に立ちます。 家族を養い、子供を育てるにはお金が必要です。 先輩の提示してきた年収600万では首都圏で家族を養ったり、子供を育てたりするのには難しい収入です。

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厳しいことを言うかもしれませんが、お金を稼ぐ気がないのであればビジネスからは撤退するべきです。 先輩は会社のために一生懸命働いていると思いますし、私は人間的にはとても好きです。 私がこんな批判的なことを面と向かって言っても、ちゃんと話してくれたり笑ってくれたりします。