即戦力って何?(ハナホジー)
我々エンジニアの業界だけでもなく、どこの業界でも人手不足との声が聞こえてきます。 「本当に人が足りてないの?」と聞くと「実は、即戦力になるような人材が採用できない」と言われることが多いです。 私は頭が悪いので「即戦力」と言われても具体的なイメージが湧きませんので、「大変ですねー」と言うことしかできないのですが、このようなことが起こらないように弊社で実施していることを書こうかと思います。 もっといい方法などあったら教えてください。
マンハッタンコード全体で取り組んでいること
仕事の生産性や技術を向上させるための仕組みは人によって違うため方法は多種多様です。 ですが世の中にはこの仕組みを持っていない人もたくさんいます。 弊社ではこれを真摯に受け止めて、社員の個人を尊重しつつ最低限のやり方を覚えてもらっています。
資料なしLTでも、セミナー形式でも発表はガンガン推奨:方法の共有
運転する方法を知らなければどんなに速いスポーツカーを持っていても走ることすらできません。 これと同じで優秀な参考書をたくさん会社が買い与えても、勉強する方法がわからなければ習得スピードは向上しません。
弊社では社員が各自で持っている良い仕組みをみんなに共有しています。 共有の形式は様々でLT方式で説明する人もいますし、資料を作ってからセミナー方式で説明する人もいます。 これは社員だけでなく他社の方もよく参加してもらっています。 知りたいのはみんなが取り入れたらよくなる行動や方法なので効果測定などは行っていません。 「いいものがあるのよ〜、奥さん〜」のノリです。
ペアプログラミングの導入:経験の共有
新しい技術について自ら本を買って勉強したり、ネットで調べて勝手に一人でやっていける人もいます。 しかし悲しいことにどんな業界のどんな職種でも、これができる人は圧倒的に少人数です。
世の中には大衆的な飲食店でも独りで初めてのお店に入れない人の方が多いのです。 私も小さな子供の頃から親や兄弟といろんなことを一緒に経験して大人になってきました。 経験は共有することのできる行動です。
この考えを基にして弊社では「まず一緒にやってみる」ということを意識して行っています。 例えば、ずっとサーバの開発しかしてこなかったエンジニアさんが「iPhoneアプリ作ってみたい!」となったら、iPhoneアプリのエンジニアさんが隣で一緒にツールを動かしながら作ります。 AWSを触ったことのないエンジニアさんがいれば一緒にサーバを立ち上げてみます。
同じ場所にいなくても継続してできるようにScreen Heroというツールの導入しました。 このツールは同じ場所にいなくても自分のPC画面を共有することができ、共有される側もソースを書くことができるのでペアプログラミングに最適です。 xcodeでも使えるので、とても使いやすくおすすめです。
Screen Heroでペアプログラミング - 髪も切れるiOSエンジニアのブログ
おまけの実例紹介
先日は私が「調べる」ということをテーマに10分間のLTを行いました。 発表する前日に思いついたので資料は用意できませんでしたが、ホワイトボードに要件を書いてLTを行いました。 はじめはテーマだけ聞いて「調べるについて発表?」と首をかしげていた人もたくさん質問をしてくれたりして嬉しかったです。 LTが終わった後に「単純なことだったけど、言葉や図にしてもらってわかりやすくなった。意識してみます」と言ってもらって嬉しかったです。
目的と狙う効果
個人で勉強するスピードが向上する
運転の方法というのは実は軽自動車でもトラックでも基本は同じです。 車種によって注意することは違いますが、運転する方法を学んでいる人であれば覚えるのも早いです。 これと同じで1つの技術を覚えてしまうと2つ目の技術を習得するスピードは圧倒的に上がります。
まだ人数は少ないですが、弊社ではほとんどの社員がたった1年でswiftでiOSアプリを作り、AWSでLAMP環境によるアプリを作れるようになってます。
勝手にコミュニケーションが取れる
弊社では「コミュニケーションを円滑にするために飲み会を開く!」なんてことは一切していません。 ですが他社の方たちからはよく「みなさん仲が良いですね!」と言っていただけます。
勉強でも作業でも一緒に行動することで嫌でも言葉が増えます。 説明するには会話が必要です。質問するのにも会話が必要です。 勝手に言葉を交わすことになるので自然とコミュニケーションが生まれます。
影響とリスク
社内の雰囲気が変わる
勉強することは良いことだ!楽しいことだ!という雰囲気になります。 「勉強しないとなー」と社員が口にする回数も減ってきました。 そして今では「勉強しないとなー」という言葉は「悔しい!!」という意味に変わりつつあります。
自発性が生まれた
「〜について発表してみんなの意見を聞いてみたい」「〜さんが来たら〜のことを聞いてみよう!」という自発性が生まれています。 何より社員本人が充実してそうな姿を見れることが非常に嬉しいです。
リスクは時間がかかること
1人でやることに比べたら2人でやる方が時間は2倍かかります。 独り立ちした後のスピードが圧倒的に早いので私は十分に元が取れると考えていますが、投資の初期コストをケチりたい人にはおすすめしません。
まとめ
弊社がまだ小さい規模だから実施できているのかもしれませんが規模なんてただの数字です。 いいと思う、いいと考えるのであれば小さく始めればいいだけです。 100人規模の会社だったら、最初は5人くらいと一緒にやってみる。 できそうだったら徐々に横に展開すればいいだけです。 自分の行動が変わらなければ周りも結果も変わらないです。
この取り組みから弊社は長く運営をしていけばいくほど、他社に比べて有利にビジネスを進めることができると考えています。